docomoの回線事情、地域差を考える【バンド21】

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私は九州の小さな地方都市に住んでいます。

職業柄、市街地だけでなく山間部それも結構な山の中に行ったりするんで、どうしても通信回線選びはdocomo一択になっちゃいます。

基地局の数が一番多いですからね。

九州では一番繋がり易い回線だと思います。

 

基地局の数
出典:総務省

 

そんなdocomoの回線なんですが、ネットを見ていて少し気になることがあるんです。

それは地域差に関することなんですが、なんかちょっと引っかかるんですよ。

ということで

今回は、docomoの回線について

「周波数帯?何それ?」な人にも解るように書いてみたいと思います。

 

 

そもそも回線というのは、それぞれ周波数が異なった幾つかの周波数帯/バンドから成っています。

docomoの回線(4G/LTE)で使われている周波数帯/バンドは、1319212842の6種類。

ネットなどで調べてみると

docomo回線で重要な周波数帯は
バンド119
もしくは
バンド1319

と言われている場合が多いんです。

バンド2128は「無いよりあった方がいい」程度な説明のサイトもあります。

でも、あれ?

以前私が自分の行動範囲で周波数帯を確認した感じでは、結構バンド21を掴むことが多かったんですけど…

 

 

「え?バンド21は入ってないの?」

バンド21って特に必要はないの?」

なんで?

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地域差

それは何故か?

「地域が違うから。」

地域差があるからなんですね。

恐らくですが、ネットでこういった情報を発信されてる方の多くは、東京都心や関東もしくは大阪・名古屋などの大都市で生活されているんじゃないでしょうか。

人口の密集した大都市と、私が住んでるような閑散とした片田舎とは、状況が違うんですね。

使われている周波数帯や繋がり方というのは、地域・場所によって違ってくる。

ひとくちにdocomo回線と言っても、地域・場所によって使われている周波数帯が違います。

例えば

新宿駅の前、田んぼが広がる私の家、二カ所で同時刻にスマホで何か検索をするとします。

もちろん共にスマホは使えます。
4G/LTEが繋がって検索することが出来ます。

ですが、掴んでいる周波数帯は違います。

新宿駅の前は、バンド13あるいはキャリアアグリゲーションな何か(調べる術が無く、恐らくで申し訳ないですが)。通信速度は速い

かたや、私の家はバンド19。通信速度は遅い。でも何故か10m歩いて国道に出るとバンド21。通信速度はそこそこ。

極端な例ですが、違いがあるわけです。

東名阪(東京・名古屋・大阪)限定で使われる周波数帯(バンド3)、地方都市で使われる周波数帯(バンド21)、など周波数別に種類が別れています。

どんなところでも、周波数帯6種類のいずれかを掴めるわけではないんですね。

つまり
docomo回線で重要な周波数帯は「バンド1・3・19」と言われる場合は、東京・名古屋・大阪に限られた話になります。

その他の地域では、バンド3が掴めないので実質5種類。バンド1・19が主体となっていて、バンド21・28が補完している、という感じでしょうか。

SIMフリー端末使用の場合

この地域による違いは、東京・大阪・名古屋以外でSIMフリー端末を使う場合に少し問題が出てきます。

現在、売れ筋・人気のSIMフリー端末の対応する周波数帯は、ほとんどの機種でバンド1・3・19・28

バンド21には対応していません

docomoの主要バンド1・19に対応しているんで、一般的には使えるとは思います。

ただ通信速度の面で不利になる場面が出てくるんです。

バンド1というのは、周波数が高く通信速度が速いんですが、障害物などに弱く電波が不安定になりやすい特徴があります。

そんな場合にはバンド19が補ってくれますが、通信速度は遅め。

そこそこの速度なバンド21は掴めない、もちろんバンド3も掴めない、ということで速度的に不利になるんです。

これが地方都市でSIMフリー端末を使う場合に、少しネックになるところ。

海外製のSIMフリー端末は、そこそこの性能で価格は安いものが多くて魅力的なんですけどねぇ、ちょっと選びにくいんですよ。

ただし、外出先ではあまり使わない、家ではWi-Fiで、なんていう使い方なら全然SIMフリー端末でもOKですけどね。

バンド21

では、何故SIMフリー端末はバンド21に対応していないのでしょう?

それは

バンド21というのは、日本独自の周波数帯。しかも、docomo回線独自のものだからです。

SIMフリー端末は、日本向けとしてだけでなくグローバルに売られているものです。

日本の地方都市のみ対応のバンド21は、さすがに採用されにくいんですね。

海外はもとより日本でも重要視されない悲しき周波数帯、それがバンド21の実情です。

実際は、地方都市では結構繋がってるんですけどね。

docomo回線

特徴

docomo回線の4G/LTEで使われる周波数帯を、ざっくりとですがまとめてみました。

バンド 周波数 特徴
1 2.0GHz帯 メイン周波数帯
日本全国に対応
3 1.7GHz帯 東名阪(東京・名古屋・大阪)中心
19 800GHz帯 プラチナバンド・日本全国に対応
電波が繋がりやすい・エリア対策用
21 1.5GHz帯 地方都市対策用
28 700GHz帯 プラチナバンド・バンド19を補完?
42 3.5GHz帯 キャリアアグリゲーションで使われる帯域

メインとなるのは、バンド1・19

それにプラスして

東名阪なら、バンド3。地方都市ならバンド21

といったところですかね。

キャリアアグリゲーションで使われるバンド42というのは、ぶっちゃけよく分かりません。

キャリアアグリゲーション:複数の周波数帯の電波を束ねて高速通信する技術

そもそも、私の行動範囲では、実感できたことは無いです。キャリアアグリゲーションのキの字もありませんね。

都心などでは、実感できるほど使われてるんですかね?

どなたか教えてください(笑)。

地方での状況

地方都市の回線状況の一例を紹介します。

最近、毎日のように通っている所なんですが、長崎の諫早ICから雲仙市役所の辺りまでの状況です。

ちょっと地図が見にくいですが、下図の赤丸で囲んだ所になります。

九州北部の地図諫早市は人口14万人弱。
九州では第12位の人口の都市で、まぁ一般的な地方都市だと思われます。

そこから、田んぼと畑が広がる雲仙市役所付近までの区間。距離にして30㎞くらいですが、国道を走行中に取ったデータになります。

長崎とはいっても山に囲まれている訳ではなく、結構な交通量がある区間。

道中にはV・ファーレンの本拠地スタジアムもあります。

ちなみに、雲仙市役所の近くにはニュースで時々話題になる諫早干拓の潮受け堤防があります。

使用したアプリは、以前に紹介したことのある「LTE Discovery」。

現在繋がっている周波数帯を調べることが出来るアプリケーションです。

諫早ICを降りた辺りで、LTE Logをオン。

雲仙までの道中で掴んでいた周波数帯の一覧が下記画像になります。

これまた見にくいかと思いますが、黄色で囲んだ部分が周波数帯です。

市街地部分は、バンド1バンド21を掴んでいる状況。

市街地を抜けると、バンド19主体でバンド28も一部掴んでいました。

私が住む地域も似たような状況なんですが、結構な頻度でバンド21を掴んでいるのがお分かりになるかと思います。

恐らくですが、九州では他の地域も同じような感じでしょう。

地方では、バンド21は意外と繋がる周波数帯なんですよ。

 

ついでに、バンド別に通信速度も測ってみました。

使用したアプリは、「Speed checker」です。

バンド1

バンド1速度状況

バンド21

バンド19


これはあくまでも目安に過ぎないんですが、バンド19だとグッとスピードが下がりますね。

まとめ

ごちゃごちゃとバンド21のことを中心に書いてきましたが、言いたいことは

「周波数帯というのは、地域によって違いがある。」

つまり

「docomoの回線というのは、地域によって繋がり方は様々なんです。」

ということです。

ネット上に上がっている情報が、そのまま自分の地域で当てはまるとは限りません。

私が書いている情報も同様ということになりますが(笑)

こういう地域差があるものは、取捨選択が大切になってきますね。

というお話でした。



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